北漢山(ブカンサン)はソウル市街のすぐ北側にある山で、一帯は国立公園になっている。
標高836メートルと低山の部類だが、花崗岩からなる山塊は水が豊富で、奇岩巨岩がそびえる景観は、日本でいうところの瑞牆山や甲斐駒みたいな雰囲気だ。
そんな山が町の中心部から1時間足らずの場所にあるのだ。
東京だったら登山者で埋め尽くされるに違いない。
歩いたのが平日だったせいか、東京ほど人口が多くないからか、はたまたそこまで登山が流行っていないのか。
理由はわからないが、山の良さのわりに登山者は少なく、得をした気分で歩いた。
ソウルはバスや地下鉄が発達していて、歩き回るのによい街だ。
日本の都市とつくりが似ていて、日本の生活に慣れている身としては安心感がある。
台北もそうだが、かつて日本に植民地支配されていた影響は間違いなくあるのだろう。
町の中心部を東西に横切る電車と、登山口まで南北をつなぐ電車、その交点のシンソルトン駅のホテルを拠点にしていた。
そもそも、ソウルに来たのは山が目当てではなくて、大学の後輩の結婚式に出席するためなのだ。
ホテルが会場まで遠いと困る。
「コロナが明けてようやく式挙げるんで、先輩、来てくださいよ」
おお、いいよ、いくいく。
気軽に返事をしたときは、まさか会場がソウルだとは思っていなかった。
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